✎心理カウンセラー・ラッキー
笑福亭鶴瓶さんは、若手芸人や素人さんからも「話しかけやすい」「からみやすい」として有名です。
そんな、人付き合いが上手な鶴瓶さんですが、若いころは意外や意外!「ひどい引っ込み思案」だったそうです。
一見とても強引で、恐いものなしのように見られがちな僕だが、正直なところは、気も小さいし、照れ性でもある。よく見ず知らずの人たちと、一回会ったっきりで、すぐにうちとけてしまう人がいるけれど、この頃の僕には、そんなことなどとても考えられなかった。
出典:『哀しき紙芝居』
鶴瓶さんは、「ひどい引っ込み思案」からどうやって脱出したのでしょうか?
また、人が集まってくる「優しいオーラ」をどのようにして身に付けたのでしょうか?
そこに至るには、それなりの努力があったそうです。
今回は、「人付き合いのコツ」を笑福亭鶴瓶さんに学びます。
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気が弱くて、引っ込み思案だった鶴瓶さんですが、「あいさつ」に関しては、子どもの頃からしっかりと教育されていたそうです。
五歳ぐらいになると、既に近所の人にはキチンと挨拶をするようになっていた。小学生になると、近所のおばちゃんを見つけては、こちらからまるで大人のように「ええ天気ですね」などと、声をかけたりもしていた。
出典:『哀しき紙芝居』
鶴瓶さんの愛想の良さは、「あいさつ」によって磨かれてきたのでしょう。
また、あいさつは「相手の心を開かせる強力な武器」にもなります。
ある心理学の実験では…
「募金をお願いします」のときは9.8%の人が応じてくれたのに対し、
「こんにちは、募金をお願いします」のときは25.5%も応じてくれたそうです。
つまり、「こんにちは」のひと言で、2.5倍も相手の心を開かせることができるわけです。
人付き合いが上手くなる第一歩は、「自分から積極的にあいさつする」こと。「会話がうまい・ヘタ」よりも、まずは「あいさつ上手」になることが先決です。
人付き合いを上達させるのに、挨拶の次に大切なのが「会話力」です。とはいっても、一朝一夕で話し上手になることはできません。
そこでおススメなのが「ネタ帳」を作ること。というか、ネタ帳は必須です!
流暢に話すお笑い芸人でさえ、ネタ帳がなければ、まともに話すことができず仕事にならない。アドリブに聞こえる話でさえ、仕込まれたネタなのです。
鶴瓶さんも例外ではありません。
今日こんなおもしろいことがあったっていうのを毎日ノートにかいてるんです。2005年は1年間に584個おもしろいことがあったんですよ。
出典:『日経ビジネスアソシエ』2006年4月4日号
ネタ帳が僕の心強い味方になってくれている。前の晩にネタ帳を繰りながら、明日はこれとこの話を、この順番でやってみようなどと、一種の構成を考えることもある。(中略)
ネタ帳が手元にないと、なんとなく不安になってしまう。それほど僕にとって、このネタ帳は、貴重な存在になってしまった。
出典:『哀しき紙芝居』
会話を盛り上げるには「事前の準備」が最も重要です。
話芸の達人である明石家さんまさんは、強がりなのか、「ネタ帳はない。メモはしますけど…」と話していました。そのメモのことを「ネタ帳」って言うんですけどね!
ネタ帳をつけるようになると、「話し上手になる」というより、話したくて仕方なくなる。体がウズウズしてきます。
だから、熱く話すことができ、相手も興味をもって聞いてくれるわけです。
「人付き合いが上手い」というのは、「相手の心を開くのが上手い」と同義。
相手の心を開くことができれば、もう立派な「人付き合いの達人」です。
鶴瓶さんは、相手の心を開くテクニックを詳しく語っています。
コレはテクニックとしてね、まず、自分の恥部を言うんです。ボクが一番恥ずかしいと思てることを相手の前で言ってあげる。すると、向こうも「アンタがそこまで言うてくれたのなら、私も言うわ」とノッてきはる。そうしたら、「そう、そう、ボクね、ほかにもこんなことあったわ」と、もっともっと恥ずかしいことをボクが言うわけ。「それなら!」って、向こうはもっと自分をさらけ出してきはる。
出典:『週刊明星』1990年11月1日号
相手の心を開くコツは、「自分の恥ずかしいことを話す」こと。
これさえ出来れば、たとえ初対面の相手でも、一瞬で親しくなることができます。
自分の恥ずかしい経験を、どんどんネタ帳に書き加えていきましょう。
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犬は「人のオーラ」を見分け、優しい人には近づいていきますが、攻撃的な人や犬嫌いな人に対しては警戒心をあらわにします。
犬だけでなく、人間だって、「人のオーラ」を感じることができます。
現に鶴瓶さんは、人が集まりやすい「優しいオーラ」を身にまとっている。
それは、生まれ持った才能なのでしょうか?
俺に話しかけるとき、ちょっとみんな笑てはるやろ。山田洋次さんが「いいよなあ、鶴瓶さんは。寄って来たら、みんな笑ってる」って言ってた。俺、それ、望んでたんやもん。若いときから。自然にしているというよりも、目指さないとできない。
出典:『Switch』Vol.27
「優しいオーラ」を出すには、それを目指さないとできない。
では一体、鶴瓶さんは、どのような努力をしているのでしょうか?
いちばん大事なのは、毎日の自分の姿勢ですね。駅で人に話しかけられたときに、立ち止まってご挨拶して、ちゃんとしゃべって、そういうことをしていないと。当たり前のことなんですけど、だれかと出会うときは、それが自然と出てくるんです。
出典:『ステラ』2005年12月9日号
「毎日の自分の姿勢」がオーラとなって表れる。
確かにそうですよね!
犬嫌いの人が、犬の前で「わたしは、犬が大好きですよ~」という態度をとっても、それはすぐにバレてしまう。犬に好かれたかったら、普段から犬と触れ合っていることが必要なのです。
人間の場合は、これを「ご縁を大切にする」といいますが、鶴瓶さんは「ご縁をとことん大切にする人」なのです。
素人さん相手に、普通に話すって、できそうでできないんですけど、僕はいまでも最初にサインした人とつき合うてますから(笑)。当時は13歳の女の子でしたけどね。
出典:『BIG tomorrow』2011年4月号
ハンちゃんいうんは、僕のファンというか、昔やってたラジオのリスナーだったんですよ。でも、そんなファンが「いい歯医者を知りませんか?」なんて言ってくる芸人って、ほかにいますか(笑)。
出典:『BIG tomorrow』2000年7月号
どんな人とのご縁も大切にする。それが、オーラとなって表れるわけです。
もしも、「学生でお金が無かったころに、いつも大盛りにしてくれた食堂のおばちゃん」というような人がいるのなら、出世してからでも、そのおばちゃんの食堂で定食を食べる。
その気持ちがとても大切!ということです。
人付き合いって、深いですね!
人付き合いにおいて、最も重要なのは「信用」です。信用できない人とは、深く付き合えませんからね。
鶴瓶さんにとって「信用できない人」というのは、態度をコロコロ変える人なのだとか。
それは、鶴瓶さんがまだ新人だった頃の経験が元になっています。
大物芸能人にはペコペコと頭を下げ、若手芸人は虫けらのように扱う人が、芸能界には多い。鶴瓶さんは、それに腹が立って仕方がなかったそうです。
それを反面教師にしているので、鶴瓶さんは誰にでも優しい。若手芸人から人気があるのもうなずけます。
鶴瓶さんは、誰にでも優しくすることの大切さについて、このように熱く語ります。
運送会社の人だって、いかに運んでいる荷物が価値の低いものだと分かっていても、それを、ぞんざいに放り投げたりするだろうか。荷物の中味がなんであれ、どの荷物も同じように、ていねいに扱えばこそ、運送会社の信用もあるのではないか。
出典:『哀しき紙芝居』
平等に、そして丁寧に扱うから「信用」が上がる。
ホント、そうですよね!人として大切なことを思い出させてくれます。
立川志の輔さんも、鶴瓶さんのエピソードを次のように話しています。
撮影をしていたら、そこに小学生ぐらいの女の子二人が見学に来ていた、と。師匠がその二人に、「今日は彼らの収録はないけど、普段はTOKIOとかV6とかいっぱいいるんやで。おじちゃんは結構ここに来てるから、観に来たいときは連絡しいや」と言って、自分の携帯番号を渡す。
出典:『Switch』Vol.27
どんな人にも、徹底的に丁寧なんですね!
こんなところを見せられたら、信用せずにはいられませんよね。
【参考文献】
いかがでしたでしょうか?
最後に、人付き合いのコツをまとめておきます。
「なぜか人付き合いが上手くいかない」という方は、ぜひ参考にしてください。
①自分から積極的にあいさつして、愛想を磨く
②ネタ帳を書き、話し上手になる
③自分の恥ずかしいことを話して、相手の心を開く
④「ご縁」を大切にすれば、優しいオーラが出てくる
⑤人によって態度をコロコロ変えない。誰にでも優しく丁寧に接すれば「信用」が得られる
以上「笑福亭鶴瓶に学ぶ◇人付き合いのコツ5つ」でした。
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最後までお読みいただき、本当にありがとうございます!
(心理カウンセラー・ラッキー)
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